療養費支給申請書
現金給付を幾つかの種類に分類すると、(1)被保険者の生活保障のための手当金、(2)出産や埋葬(葬祭)など疾病治療とは直接関係のない出費に対する援助となる一時金などがあります。これら2つから健康保険が単なる「医療保険」ではなく、勤労者とその家族の健康、生老病死のあらゆる場面に関わる保険であることがわかります。
保険給付の原因である保険事故の種類により手当金の分類では日毎の保障(標準報酬月額の日2/3相当支給が基本)であること、一時金の分類では予め出費の額が想定され、出産児一児当たり基準単価、標準報酬月額相当額などを適用することで簡明かつ公平に出費の相当部分をカバーできるような条件別の定額支給であることが特徴といえます。
これらに対し、療養費とは(3)疾病治療に直接要した出費に対して行われる給付の種類です。やむを得ず自費で治療を受けた場合などで請求手続により、実際に支払った額の範囲内で支給されます。本来、被保険者が保険医療機関の窓口で一部負担額を支払い、残りを医療機関が健康保険組合など保険者に請求することで「療養の給付」(現物給付)などが実現しますが、保険証が使えず立替払いしたときに事後的に行われる現金給付のひとつです。現金給付は範囲が非常に広範であるので以下のようなケースに分類します。
保険証の提示ができず、自費払いをしたとき
保険加入の手続中などで、実際に支払った額の保険者負担部分(例えば7割)を支給するのではなく、保険診療の診療報酬請求の基準に引きなおして総医療費を計算するため、被保険者の期待した支給額を下回ることがあります。逆に実際に支払った額が保険請求の基準を下回るときは実際に支払った額のベースで算定せざるを得ません。
海外で治療を受けたとき
現地で実費を支払い、実際に支払った額の範囲内で支給し、上記の国内同様の考え方を適用します。但し、実際に支払った額を邦貨換算するため、為替レートの変動の影響を受けます。保険給付は国内で支給することになっており、決済レートはありえず、評価用の換算レートです。一方、国内診療報酬請求の基準適用は基本的には疾病分類別の入院・外来別1日あたり医療費実績統計を用いて算定します。実際に支払った額の換算額がこれを下回るときは算定額でなく換算額を支給します。海外療養費はこの計算方法や明細の英和併記など特殊な面があるので請求様式は全く別個に設定しています。その様式である「診療内容明細書」及び「領収明細書」はあらかじめ持参しておくことが必要です。欧米先進国の医療費は日本の4~5倍の額になることが多く、海外療養費支給で補填できる額は少ないことをこの制度を利用する前にご理解ください。
治療用装具の装着が必要なとき
装具製作費用は医療機関ではなく装具製作事業者からの請求であるため、現物給付ができません。義足・義手・ギプスなどの装具・補助器具の装着が必要と医師が認めた場合は被保険者がかかった費用の全額を立替後、療養費支給申請により保険者負担分相当額が償還されます。支給額は規定料金で算定されるので実際に支払った額と差が出ることはまれでありますが、事案により治療用装具であるか否か、製作の理由・頻度、償却年数などを保険者が事実確認のために別途資料提出を求める場合があります。
添付書類
- 医師の証明書(装具などの装着を必要とする旨記載)
- 領収書原本(金額の内訳が記載されていない場合は別途明細書)
- 装具の写真
※後期高齢者医療制度該当者は市区町村へ申請してください。
はり・きゅう、あんま・マッサージにかかったとき
はり・きゅう、あんま・マッサージは医療機関ではなく、施術者からの請求であるため、 現物給付ができません。かかった費用の全額を立替後、下記の条件に合致する場合に限り、療養費支給申請書により保険者負担分相当額が償還されます。
はり・きゅうの場合
医師の同意の交付を受けて、神経痛やリウマチ、五十肩、腰痛症など運動器の慢性的な痛みのある病気で、医師による適当な治療手段のない状態である場合。
あんま・マッサージの場合
医師の同意の交付を受けて、筋マヒや関節拘縮などで医療上マッサージを必要とする場合。