交通事故(第三者行為)にあったとき
加害者のいるケガや病気で健康保険を使用する場合、健康保険組合へ届出が必要です
第三者の行為によるケガや病気で被害者になったとき、その治療費等は、民法第709条(不法行為による損害賠償)に基づき、加害者が負担する損害賠償金から支払われるのが原則です。
よって、本人はもとより健康保険組合にも負担する理由がありません。
しかし、健康保険法における受傷者保護の観点から、健康保険組合に届出をした場合には、自分の健康保険を使って治療を受けることができます。ただし、健康保険組合からの治療費支払いは一時的な立て替えに過ぎず、後日、健康保険組合から加害者または加害者の自動車損害賠償責任保険などに過失相当分を請求することになります。
なお、届出は、次の法令によって提出が義務付けられています。
【健康保険法施行規則第65条】
第三者の行為によって生じたものであるときは、被保険者は、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した届書を保険者に提出しなければならない。
一 届出に係る事実
二 第三者の氏名及び住所又は居所(氏名又は住所若しくは居所が明らかでないときは、その旨)
三 被害の状況
業務上・通勤途上での事故や負傷の場合、健康保険は使えません
健康保険法第一条に基づき、業務上または通勤(途上)における事故や負傷については、健康保険の適用対象外となります。
原則として労働者災害補償保険(労災保険)が適用されるため、健康保険と労災保険を選択できるものではありません。
「加害者のいるケガや病気」とは
- 第三者(相手側)と接触または衝突などの交通事故で受けたケガ
- 事故車に同乗していて受けたケガ(同乗者が親族であっても)
- 暴力行為により受けた殴打等のケガ
- 他人の飼っている動物などに咬まれて受けたケガ
- 飲食店などで食中毒になった
- 第三者の行為に起因して受けたケガ(本人の過失が多い場合でも)
<例>駐停車中の車に激突、他車に接触転倒、センターラインをオーバーし対向車と激突した事故など
健康保険を使って治療を受ける場合の対応と提出書類
まずは、健康保険組合へ健康保険を使って治療をする(した)旨を必ず連絡してください。
後日、必要書類を提出することで、健康保険が適用されるようになります(第三者行為の認定)。

| ご提出いただく書類 | 書類受領後の当組合による対応 (損害賠償請求など) |
|
![]() |
・第三者行為による傷病届 ・第三者(加害者)側の損害賠償保険等の契約内容について ・念書兼同意書 ・交通事故証明書(交通事故の場合) ・人身事故証明書入手不能理由書(物損事故の場合) ・診断書の写し ・示談書の写しと受領した金額が分る書類 |
加害者にあたる相手方に損害賠償請求を行います。 請求は、加害者自身や加害者が加入している損害保険会社等になります。 なお、加害者側の過失割合に応じて損害賠償金が支払われます。 |
![]() |
・第三者行為による傷病届 ・念書兼同意書 ・交通事故証明書(交通事故の場合) |
加害者にあたる相手方が不明(いない)のため損害賠償請求は行いません。 けんかの場合、喧嘩両成敗で過失割合は50:50が基本となるため損害賠償請求は行いません。 治療費の一部は、被害者であるご本人が負担することになります。 |
![]() |
・外傷原因届 ※届出が無い場合は、健康保険組合から照会の連絡が入る場合があります。 |
健康保険(マイナ保険証等)による診療可能です。 第三者行為には当たりませんが負傷原因を確認します。 |
・ 上記は一般的な事例です。状況によって追加書類が必要となる場合があります。
・「第三者行為届」の提出がない場合は、健康保険を使わないものと判断し治療費を返還していただきます。
交通事故(自動車・自転車等)でケガをした際の確認事項
- 加害者の確認
相手方の自動車のナンバー、運転者と車の持ち主の住所・氏名・電話番号、自賠責保険証明書ナンバー、任意保険加入の場合は保険会社名、証券ナンバーを確認してください。その場で、たいしたケガでなかったと判断し相手方の情報を確認しないことは、損害賠償請求を放棄したことになります。 - 警察官の立会
どんな軽微な事故であっても、速やかに警察へ連絡をお願いします。その後、「自動車安全運転センター」にて交通事故証明書の発行が可能となります。 - 届出の作成
加入している損害保険によっては、損害保険会社が「第三者行為による傷病届」の作成支援を行っていますので、損害保険会社の担当者へ確認してください。 - 自転車保険や個人賠償責任保険の有無の確認
自転車事故の場合、他人にケガをさせたり物を壊してしまった際は、「個人賠償責任保険」によって補償される場合があります。自転車保険のほか、火災保険・自動車保険・傷害保険等に特約として付帯されているケースが多いため、加害者の方にはこれらの保険に特約として加入されていないかをご確認いただくようお願いします。 - 示談は慎重に
示談後も健康保険の給付を受けられるかどうかは、示談の内容によって決まります。示談にする場合は、事前に必ず健康保険組合に相談してください。 - 無保険車事故の場合の損害賠償請求
加害者が無保険の場合、治療費は自己負担したうえで、加害者に損害賠償請求を行う必要があります。双方の話し合いにより、加害者側がその治療費を支払うと決まった際には、その旨お知らせください。
交通事故以外の理由でケガをした場合の確認事項
- 賠償責任者の有無の確認
賠償責任の所在(個人・企業等)について、必ずご確認をお願いいたします。 - 相手方より治療費等の一部補償があった場合には、健康保険の保険給付との調整が必要となるため、賠償責任者の氏名・連絡先等の情報を速やかにお知らせください。
- 個人賠償責任保険の有無の確認
他人に対してケガをさせたり人のモノを壊してしまったりした場合は、個人賠償責任保険による補填の対象となる可能性があります。火災保険、自動車保険、傷害保険等に特約で付帯していることが一般的ですので、加害者の方にはこれらの保険に特約として加入されていないかをご確認いただくようお願いします。



